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「子供を預ける」という表現に違和感を覚える件

幼稚園や保育園への入所手続きについて調べていて、「子供を預ける」という表現をよく見かけます。

日常生活でも、「保育園に子供を預けてから出勤する」「祖母に子を預けて歯医者に行く」といった具合に使われます。

この言い回しに対してどうしても違和感があったので、表現の正しさについて調べるとともに、なぜモヤっとするのか考察しました。

結論:正しい表現です

言葉の定義は国語辞典で調べるべき、ということでネット上で見られる「goo辞書」を参照しました。

1 金品や身柄を人に頼んで、その保管や世話を頼む。

dictionary.goo.ne.jp

身柄の世話を頼むわけですから、子供の面倒を見てもらうことそのままですよね。


なぁーんだ!正しい表現だったのか!解決!!



・・・では私の気持ちが晴れないので、もう少し気持ちを分析していきます。

モノ扱いしているような感覚

「預ける」という言葉は金品に対して用いるという印象があります。

人から人の手に渡る」という意味合いでは、やはり人に対して「預ける」を用いるのは不適切な気がしてしまいます。


youtu.be


セサミストリートでも「モノじゃないんだから預かるってのは変じゃない?」とのセリフがありました。

問題のある表現は時代とともに変化していく

例えば「子供」という書き方は差別的な意味合いを含むと主張する人が増え、「子ども」と書くムーブメントが起こりました。
kokugoryokuup.com

障害」も「害とは何だ!」という主張から「障がい」という表現も増えていますし、求人情報で「人材」と言わず「人財」と表現する企業も見かけます。

また、大学入試や資格試験において、一次試験で基準点を下回ると不合格になるという意味の「足切り」は、その字面のとおり不謹慎なので使われなくなってきています。
大学入試では「二段階選抜」と言われていますね。


これらは一例ですが、表現に問題があると考える人が一定数現れると、言葉は変わっていくものです。

さて、「預かり」について言うと、「けしからん表現だ!」という主張はあまり見られず、各自治体のHPでも「一時預かり」や「預かり保育」といった形で、ごく一般的に使われています

気にしているのは私含めたごく少数なんでしょうか・・・

「お父さん預かります」はそんなにイヤじゃない

男女の性差として、一般に女性の方が買い物好きな人が多く、男性は買い物で退屈しちゃう人が多いという特徴を踏まえた、看板広告です。

買い物に疲れたお父さんの休憩所ありますよ!という意味でとてもユニークですよね。
hokkaidofan.com


子供を「預かる」は抵抗があるけど、お父さんを「預かる」には抵抗がないのはなぜでしょうか。

対象が自立しているかどうかが基準

違いは預ける対象が自立しているかどうかだと考えます。

子供は一人では生きていけませんから、保護者が世話をする必要があります。

一人で生きられない人間を「預ける」というのはやはりモノ扱いしているようで気になります。


他方、大人は自立しているので、「預かる」という表現はジョークやものの例えだと分かります。
まして、大人は本来誰かに面倒見てもらう対象ではないので、お笑いの「ボケ」的な心地よい違和感が面白いです。

私の子育ての目標は、子に「自立した人間になってもらう」ことです。
小学生にもなれば、「親の支配下にある子」ではなく実際に自立した人間として接したいと考えています。(理想論ですかね、、、)

じゃあなんて言うべきか?

結論は冒頭のとおり、正しい言葉であり問題ないです。

個人的には子を預けるとは言いたくないので、「世話してもらう」「面倒を見てもらう」「見ててもらう」といった表現をしたいと思います。

もし賛同してくれる方がおられましたら、是非。