夢のマイホーム購入といえば35年ローンで買うことが一般的ですが、昨今の住宅価格の高騰を受けて35年を超えるローンも登場してきました。
35年を超えて借りるかどうか、どちらもメリットデメリットはありますが、結論としては低金利時代なら長く借りる方が良いと考えています。
35年超のメリット
毎月の返済額を減らせる
35年返済であれば420回分割ですが、40年であれば480回分割に増やすことができます。
分割すればするほど、1回あたりの負担が減るので月々の返済額を少なくすることができます。
最近では住宅ローン破綻という言葉を耳にすることがあります。
月々の返済額がだんだん負担となっていき、せっかく買ったマイホームを手放さなければならなくなることを言います。
今は大丈夫と思っていても、教育や介護等で出費が増えたり、業績悪化で収入が減ったりすることによりローン返済に困窮するタイミングが訪れる可能性があります。
最初は余裕のある返済計画となるよう、月々の返済額は少なくなるようにしておくことをおすすめします。
団体信用保険の恩恵を長く受けられる
団体信用保険(団信)は契約者が死亡した際などに住宅ローン残高がゼロになる保険のことです。
住宅ローンを契約する際は加入することが必須とされていることが多いです。
保険事故を死亡、高度障害とする場合、通常費用はかかりません。
返済免除となる対象を、がんや3大疾病、8大疾病といった病気に拡大する場合は、上乗せ金利を適用することが多いです。(0.1〜0.3%上乗せ)
当然、年齢が上がるほど死亡リスクやがん罹患リスクは高まるので、団信加入期間を長くすることで恩恵を受ける可能性が高まります。
35年超のデメリット
返済額(利息額)が多くなる
元金の減りが遅くなるので、返済期間が長いほど返済額も多くなります。
これを嫌って、なるべく借りる期間を短くするという考えの人もたくさんいますが、今の低金利時代であれば、返済額が増えると言ってもさほど多くありません。
例えば、4,000万円を金利0.5%で借り、元利均等方式で返済する場合を考えます。
35年返済の場合、毎月返済額は103,834円、総返済額は43,610,126円。
40年返済の場合、毎月返済額は91,961円、総返済額は44,141,309円。
言い換えると、低金利が40年間続くという仮定の下ではありますが、53万円払うだけで返済期間を5年も延ばし、毎月の返済を11,873円も減らすことができるとも言えます。
払う利息を1円でも少なくしたいという方にとってはデメリットになり得ますね。
ローンが定年後も残る
40年ローンの場合、30歳で借りても返済終了時には70歳と労働収入が無くなっている可能性が高いです。
現役の間は月々の返済額に余裕が生まれるので、その分を貯蓄したり投資信託を積み立てたりして、リタイア後の支払いに備える必要があります。
計画的に貯蓄することが難しいという方は、早めに完済を目指すこともアリだと思います。
これは団信期間を引き延ばすことの裏返しなので、どちらを選ぶかは状況に合わせてご判断ください。
年齢制限がある
完済時に80歳以下であることが条件になっているケースがあります。
40歳を超えると40年ローンは組めないというのはデメリットだと思います。
もっとも、年齢が上がるにつれて35年ローンも組みにくくなりますので、何歳の時点で住宅購入するかは十分な検討が必要です。
まとめ
私は住宅購入の目的として
- 終の住処の確保
- 自分が死んだ後の家族の生活保障
を挙げています。
高齢になるほど賃貸住宅への入居が困難になります。
安心して住める家を、老後を見据えて今から買っておきたいと考えています。
自分ではまだ若いと思っているので死後の心配をするのは早いかもしれませんが、子が産まれてからは自分に何かあったとしても、我が子が不自由せずに生きていけるようにしたいと願っています。
自分が元気なうちは稼いでローンを払い、不幸があれば残った家族はローン返済の心配なく生活できる、とても素敵な仕組みだと思います。